会社のイメージ2012年08月02日 17:11

(前回に続く)

顧客が会社に抱くイメージがよければ、商品そのものの価値に関係なく売れることは、日常よく目にするところである。

TVでコマーシャルをする会社は認知度が高く、顧客の商品選択に影響を与える。

この場合、クリーンなイメージとダーティーなイメージを持つ会社があれば、クリーンなイメージである会社が勝利することは間違いない。

これはTVCMのでき具合いにもよるし、社会的影響も考えられる。

また、認知度の低い会社は他のファクターが購買選択の決定要因となる。

会社イメージの重要性は、次の二つが考えられる。

ひとつは、会社の良さは、「商品」、「サービス」、「情報」の良さにつながっていることである。

顧客の頭の中では、この連結がしばしば行われる。

もうひとつは、会社が社会的存在として意識されるようになり、その責任を果たすことが求められているからである。

公害のようなマイナス部分を排除するだけではなく、メセナのように積極的に社会貢献する会社がよい会社だという理解が深まっている。

これらが、会社イメージをさらに高める方向に向かわせていると言える。

だからこそ、最近の広告は、イメージを重視した広告戦略を展開する会社が増加しているのである。

会社の存在と営業マンの力2012年08月03日 17:24

第25回 「会社の存在と営業マンの力」(24-8-3)

(前回に続く)

「会社」の存在が、販売活動の中で大きなウエイトを占めるようになると、留意しなければならないことがある。

それは、会社のネーム・バリューなどが、販売実績の大きな力となっているにもかかわらず、営業マンはすべて自分の努力の結果と思い込んでいることである。

そして、それは自分の力だと信じている。

現実には、会社のイメージやネーム・バリューで販売してきたのだが、営業マンは100%、自分が販売したと思ってしまう。

名刺には会社名が印刷されているし、パンフレットにも会社名がある。

さらに、自分でも販売活動中には会社名を何度も口に出し、相手を説得しようと試みたはずだが、販売が成功すると、すべて忘れてしまう。

これは営業マンによって、販売実績に差があるため、平均以下の営業マンを基準にし、自分を高く評価してしまうのである。

同じ名刺やパンフレットを使用しながらも、営業マンの成績に差が出るのは、営業マンの資質によるものである。

これが営業マンによる自分の評価となっている。

営業マンは常に低レベルの営業マンと比較し、自分の成績に自己満足する。

それはマズローの欲求段階説の最上位にある「自己実現」の表れとみられる。

自分の能力を具現化したものが、営業マンにとっては目の前にある売上である。

売上が高ければそれだけ自分の能力を発揮できたと言える。

これが自己実現の満足感となっている。

しかし、営業マンが比較する対象が低レベルである以上、自己の能力を過大評価することになる。

このことが、会社の価値を不当に過小評価することにつながっている。

このような間違いを犯さないように、営業マンは「会社」の存在を正しく認識することが重要となる。

営業マン自身2012年08月04日 17:17


(前回の続き)

③ 営業マン自身

営業マンが売る三番目のものは、「営業マン自身」である。

前記したように、営業は営業マンの資質によって、その成果が大きく異なる。

だからこそ、一般に言われているように、「営業マンは自分自身を売る」と言うことが、大きな意味を持ってくる。

では、営業マンは自分自身をどのようにして売ればよいのか、これが重要なポイントになる。

そこで、参考になるのが、「CI(コーポレート・アイデンティティー)」である。

最近、企業はCI戦略を展開し、イメージの刷新を図っている。

例えば、企業のシンボルマークやロゴマークを変更し、新鮮なイメージを表現している。

ただ、これだけのことなら、CIとは言わない。

CIは「企業の自己同一性」と言われるように、企業全体がある意識を基に一体化することを意味している。

従って、シンボルマークやロゴマークの変更はCIの一面であり、その奥底にはシンボルマークやロゴマークに表現された意識が企業全体に流れているのである。

企業におけるCIと同様に、営業マンのイメージ戦略を考えると、PI(パーソナル・アイデンティティー)と言う概念がある。

このPIを取り入れることが、「営業マン自身を売る」ことには必要である。

PI2012年08月05日 08:10



(前回の続き)

このPIは、主に、次のファクターから成り立っている。

●外見

営業マンの外見は販売成功を大きく左右する要因である。

二枚目俳優のような端正な顔立ちをした営業マンなら、誰しも抵抗感なく受け入れられるだろう。

だが、如何にも、怖そうな顔では最初から逃げ腰で話も碌に聞かないはずだ。

営業マンがどのような性格であろうと関係ないのである。

「外見」の要素である、「容姿」・「服装」・「身だしなみ」などが、顧客に好まれるかどうかである。

●考え方

「人間は考える葦である。」

人間が人間たる所以は、「考える」ことが出来ることである。

この考え方のあり方が一人一人の特徴となり、他人との違いを際立させている。

それだけに、「考え方」はPIファクターの中でも重要なものと言える。

極論すれば、PIとは「考え方」そのものである。

人間にとって重要な要素である以上、営業マンにとっても重要である。

PI-その22012年08月06日 12:25



(前回の続き)

●礼儀作法

礼儀作法は営業マンと一見無関係のように思える。

だが、礼儀作法は有効な人間関係を維持するには必要不可欠であり、営業マンが取引先と良い関係を保つには具備していなければならないことである。

例えば、取引先を訪問する途中に、歩きタバコをしていたとしよう。

これ自体、決して褒められることではない。

しかし、問題はこの後である。

取引先に近づき、タバコを道に捨てる。

道にタバコを捨てるなど、良識ある人間のすることではない。

ましてや、取引先の目の前である。

タバコを捨てた営業マンが取引先である「会社」、「店舗」あるいは「個人の家」に入っていく。

それを見た近くの人間は一体どう思うだろうか。

非常識な営業マンと付き合っている取引先はいい迷惑である。

礼儀作法は回りの人間に不快感を与えないためのルールである。

このルールを守れない営業マンは営業マンとしてだけではなく、人間としても失格である。

●態度

「態度は意識の変容である。」

と言われるように、営業マンの意識がそのまま表現されるのが、「態度」である。

特に、注意したいのは、クレーム発生や販売を断られた時などのようなマイナス状況に遭遇した時である。

このような時は営業マンの本性が現れやすい。

知らず知らずのうちに、不愉快な気持ちを態度に表し、動きが荒くなることはよくあることである。

どんな時でも、冷静に対処できなければ、営業マンとして、「自分を売る」ことはできない。