会社の存在と営業マンの力2012年08月03日 17:24

第25回 「会社の存在と営業マンの力」(24-8-3)

(前回に続く)

「会社」の存在が、販売活動の中で大きなウエイトを占めるようになると、留意しなければならないことがある。

それは、会社のネーム・バリューなどが、販売実績の大きな力となっているにもかかわらず、営業マンはすべて自分の努力の結果と思い込んでいることである。

そして、それは自分の力だと信じている。

現実には、会社のイメージやネーム・バリューで販売してきたのだが、営業マンは100%、自分が販売したと思ってしまう。

名刺には会社名が印刷されているし、パンフレットにも会社名がある。

さらに、自分でも販売活動中には会社名を何度も口に出し、相手を説得しようと試みたはずだが、販売が成功すると、すべて忘れてしまう。

これは営業マンによって、販売実績に差があるため、平均以下の営業マンを基準にし、自分を高く評価してしまうのである。

同じ名刺やパンフレットを使用しながらも、営業マンの成績に差が出るのは、営業マンの資質によるものである。

これが営業マンによる自分の評価となっている。

営業マンは常に低レベルの営業マンと比較し、自分の成績に自己満足する。

それはマズローの欲求段階説の最上位にある「自己実現」の表れとみられる。

自分の能力を具現化したものが、営業マンにとっては目の前にある売上である。

売上が高ければそれだけ自分の能力を発揮できたと言える。

これが自己実現の満足感となっている。

しかし、営業マンが比較する対象が低レベルである以上、自己の能力を過大評価することになる。

このことが、会社の価値を不当に過小評価することにつながっている。

このような間違いを犯さないように、営業マンは「会社」の存在を正しく認識することが重要となる。